役員報酬が未払の場合の源泉徴収・納付
役員報酬が未払の場合の源泉徴収・納付について説明します。なお、「役員」とは、法人税法第2条第15号に規定する役員のことであり、法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者のうち一定の者をいいます。
源泉徴収・納付
役員に毎月支払われる給与等は、通常、定められた支給日にその総額を支払い、所得税はその支払いの際に、会社が給与等の支払い金額に応じた額を計算し、算出された額を源泉徴収のうえ国に納付することになります(
所法183@)。
(理論上の話)
源泉徴収は給与等を、実際に支払う際に行いますので、役員報酬が未払いとなる場合には、原則として支払われるまでは源泉徴収は行われないこととなります。また、納付もしなくてよいということになります。
ただし、役員
賞与については、支払の確定した日から1年を経過した日までにその支払がされない場合には、その1年を経過した日においてその支払があつたものとみなして、源泉を納付する必要があります(所法183A)。
という上記のことが、理論上の話です。ただし、実務上は役員報酬の未払いについては、以下のような取り扱いがされることがあります。
(実務上の話)
実務上は役員報酬が未払いであっても、それに対応する源泉所得税を納付する場合があります。理由は、それをしていないと、税務調査の際にもめる場合があるからです。従業員に対する給料と違い、役員報酬はお手盛りで、どのようにも操作できると考えられてしまうからです。
源泉所得税の支払いがあれば、納付書により、役員報酬の金額がいくらなのかを、税務署も捕捉でき、会社側も証明できます。ただし、源泉所得税の支払いがないと、役員報酬がいくら支払われているのかが、まったく税務署の方で捕捉ができません。これを悪用すれば、決算の段階で算出された会社の利益に応じて、役員報酬を後付けで決めてしまうことができるからです。
なお、会社にお金があることはあるが、役員報酬を支払ってしまうと、運転資金等がなくなってしまうという経営者の方もいます。ただし、その場合は、いったん、役員報酬を支払い、役員が会社に対してお金を貸すということをすべきでしょう。